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オフィスのペーパーレス化に成功した事例

オフィスのペーパーレス化に成功した事例

 

近年、オフィスのペーパーレス化は、エコや経費削減だけではなく生産性向上のための取り組みとして話題になってきています。いま注目を集めるペーパーレス化ですが、失敗事例も多いテーマでもあります。デメリットや失敗する理由、成功事例をふまえながらペーパーレス化について紹介します。

 

■総務省から事例が共有されるほど、注目されるペーパーレス化

 

近年、ペーパーレス化の事例に関しては、総務省から個別事例が共有されるなど注目を集めています。

 

(参考:「10のワークプレイス改革の取組」https://www.soumu.go.jp/main_content/000152619.pdf
*大手企業や自治体の例中心ですが、課題・内容・効果などが掲載されています)

 

ペーパーレス化自体は、実は1970年代から提唱されていましたが、技術的な問題もあって普及は十分とは言えませんでした。しかし現代では、インターネットや電子機器の発達もあって、多くの企業で実績が上がってきています。それにあわせて、これまではエコロジーや経費削減だけの観点から語られていたペーパーレス化が、業務の生産性向上の側面からも語られるようになってきました。

 

■ペーパーレス化のメリット・デメリット

 

ペーパーレス化のメリット・デメリットは複数あります。

メリットとしては業務の効率化、保管場所の削減、フリーアドレスの推進など多岐にわたります。

とくにフリーアドレスの推進後、保管場所だったエリアをカフェやミーティングスペースなど社員間のコミュニケーションスペースにすることで、社員のモチベーションが向上したり、付加価値を創造するきっかけ作りにしている企業は多いようです。

 

デメリットとしては、推進するシステムの導入に費用がかかる、移行期に社員のリテラシーによってはオペレーションのフォローが必要となり、工数がかかる場合があります。

 

→【導入事例付】オフィスをペーパーレス化するメリット・デメリット

https://www.yamagishi-p.co.jp/officeblog/paperless/20181019-238/

 

 ■失敗する理由

 

非常にメリットの多いペーパーレス化ですが、せっかく導入しようとしたのに、失敗してしまった企業もあります。失敗する理由にはどのような理由があるのでしょうか。

 

・逆に業務効率が下がる場合

一般的に、ペーパーレス化は紙の管理など、業務効率が上がると言われていますが、複数の資料を同時に見るなど、ディスプレイでは難しく、逆に効率が下がる場合があります。

しかし、外付けディスプレイを導入し、複数ディスプレイで作業する環境を用意することで対応が可能です。

また固定席のオフィスだと、自分の席になるので紙が机に積み重なる結果になりがちです。その解消にはフリーアドレスの導入がおすすめです。席が固定されず毎日変化するため、自然と無駄な紙を整理するようになります。

 

・推進システムの導入コスト

ペーパーレスを推進する際に、多くの場合は何かしらのシステムを利用することになります。しかし、こちらの費用がメリットより小さいと判断されて進まない場合があります。

新しいシステムが複雑すぎて使われなかったり、現場の課題を理解していない上層部が独断で導入するなどした場合、せっかく導入したシステムが活用されないケースは多いようです。

また、業務の改善を行わずにシステムを導入すると、業務の無駄がシステムによって拡大することもあり、システムの導入は慎重に行う必要があります。

 

・社員のITリテラシーの問題

ペーパーレス化を進める場合、基本的にはIT技術での推進となります。

しかし、社員のITリテラシーや新しい事を吸収しようというモチベーションの差でなかなか進まない場合や、できないと思い込んで進まない場合もあります。

とくにパソコンやタブレットが苦手な年配の社員などは、その傾向が強いですので、これらをふまえて、ペーパーレス対策を進める必要があるでしょう。

 

■山岸製作所のペーパーレス化事例

 

<個人ロッカーの採用でペーパーレス化>

 

全国屈指のSIベンダーであるNECネッツエスアイでは、ペーパーレス化を進めるにあたり、まず書庫の断捨離を徹底的に実施。一人あたりの書類の量を極限まで減らしました。

その上で小さなサイズの個人ロッカーを導入し、ここに個人のパソコンや書類を収納することで、これ以上紙が増えない努力をしています。

 

<フリーアドレス・個人ロッカー両方の採用でペーパーレス化>

 

北陸道、名神高速、東名、中央道などの高速道路を維持運営管理する中日本高速道路株式会社の金沢保全・サービスセンターでは、オフィスのフリーアドレスを図ると同時に、収納も個人ロッカーを採用しました。新しいオフィスでは収納スペースが以前の1/3になるとともに、印刷量も1/2以下となり、ペーパーレス化を進めています。

 

オフィスのペーパーレス化は、「はんこ廃止」宣言もあり、今後は一気に加速していく可能性が高いと考えられます。しかし、システムなどによる改善は、年配者が多い企業では難しいのも事実です。まずは簡単に導入できる個人ロッカーやフリーアドレスなどから進めてみてはいかがでしょうか。

 

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