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働き方改革を進める上でのオフィスの課題

オフィスの課題

 

近年、少子高齢化による人手不足や、企業の労働生産性の低さの問題が様々な形で顕在化してきたこともあって、働き方改革に取り組む企業が増加しています。しかし、いざ取り組んでみると、これまでの慣習が邪魔をして、なかなか前に進まないことも多いようです。

そんななか、オフィスを改善することで働き方改革を進め、競争力を高める企業が増えてきています。働き方改革を進めるための、オフィスの課題についてまとめてみました。

 

■働き方改革を進める上で、オフィスの課題が顕在化

 

2018年頃より取り組みが多くなってきた働き方改革ですが、オフィスでの課題が顕在化して来ています。新型コロナウイルスの問題から、強制的にリモートワークの導入が進んだこともあって、これまで後回しにされがちだったオフィスの改善に取り組む企業が増えてきています。

 

■オフィスの現状

 

オフィスに関する調査は数多く行われていますが、従業員のオフィスに対する満足度調査は基本的に多くの調査で低い結果となっています。

同様の調査でオフィス環境が労働生産性、働き方に与える影響は大きいと答える従業員も多いことから、働き方改革をしっかりすすめる上ではオフィス環境の課題へのアプローチも重要とわかります。

 

また世代別にみると、20〜30代の若手従業員の方が40代以上の従業員よりも働き方改革に積極的で、オフィスの改善にも前向きな傾向があるようです。オフィスの改善は、若手従業員の定着にも効果があると考えられます。

今回は、オフィス改善における3つの課題についてご紹介したいと思います。

 

■課題1 オフィス×ICTの導入の遅れ

 

働き方改革を実施していくには、オフィス機能にICTを取り入れた仕組みが必要不可欠です。

とくに働き方改革3つの柱の1つである長時間労働の是正では、ICT機器を取り入れることで効果を実感しやすくなります。

たとえば勤怠管理システムによる就業時間の見える化や、ICT機器の強制電源オフの機能などを活用することによって、定時退勤の奨励や休憩時間の確保、休日出勤の禁止へのアプローチなどが容易にできるようになります。

 

さらにICT機器を活用することで、業務の効率化を図ることも可能です。

ルーティン業務の自動化や、グループウェアの活用などによる情報の蓄積・共有による効率化はもちろんですが、業務をデジタル化することによって所要時間が記録できるというのもポイントとなります。誰がどの業務で、どの程度の時間がかかっているのかが分析できると、特定の業務のブラックボックス化が防げるほか、業務時間短縮のためのトレーニング計画の作成や社員の適正にあわせたキャリアプランの作成にもつなげることができるでしょう。

 

まずは早急なオフィスのICT化が効果的ですが、40代以上の従業員には新しい機器への忌避感も多いと考えられます。導入は一気に行うのではなく、まずはひとつの部署、若手従業員だけに絞るなど小さく始めるのがおすすめです。初期コストもおさえられるほか、成果が出れば若手社員の成功体験にもつながります。成功を焦らずじっくり取り組むのがポイントだといえるでしょう。

 

■課題2 無意識の格差

 

オフィスレイアウトを考える時に、無意識で正規・非正規社員の格差が生まれる場合があります。

業務効率化のセグメント化やカテゴリ化されたオフィスレイアウトは必要ですが、なんらかのグルーピングが必要な時に役職を地位的な扱いとしてグルーピングを行い、オフィスレイアウトに反映することで従業員の意識の中でも正規・非正規の区別が現れてくる場合があります。

 

この問題を解消するには、オフィスのフリーアドレス化がおすすめです。
あえて固定席をつくらないフリーアドレスは、他部署間のコミュニケーションの促進によってイノベーションを起こすことが目的ですが、同時に役職や正規・非正規などの社員間の格差によるコミュニケーション不全も解消することが可能となります。

 

■課題3 会議室問題

 

こちらはわかりやすい課題ですが、働き方改革をすすめるとコミュニケーションが活発になり、業務に新たな付加価値を生み出そうとする攻めの会議が増えてきます。

これまでの業務改善では、無駄な会議をなくすことが大きなテーマの一つでしたが、今後は攻めの会議をどれだけ増やせるかが業務改善のポイントになります。それによって、慢性的に会議室が不足しているという企業が非常に増えてきています。

 

さらにリモートワークが増えたことで、リモート会議も増え、1対1の会議でも会議室などが埋まるとますます会議室不足に陥ります。リモートワークで空いたスペースを、会議室やミーティングスペースに転用するのがおすすめです。

 

■落ち着いて出てきた課題に対処

 

働き方改革へのアプローチは、各企業で始まったばかりです。

思いもよらない課題が生まれるのは当然なので、出てきた課題に落ち着いてアプローチすることが重要です。

上記のような前提に立つと、オフィスのリニューアルの時は完成形を目指しすぎず、その後に修正・改善があるのが当たり前との前提で行うことが重要だといえます。

 

小さなトライ&エラーを常に回し続け、少しずつ理想のオフィスに改善していくことで、自社の働き方改革につなげていきましょう。

 

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