小松マテーレ株式会社様
2025.8.8
今回ご紹介するのは、石川県・能美市に本社を置く「小松マテーレ株式会社(以下、マテーレ)」様です。

今回はコンセプト策定のサポートからオフィスレイアウト設計、什器のご提案・納入までをお手伝いさせていただきました。
プロジェクトの開始前に、オフィスに対する経営者の思いと実際に働く社員さまにヒアリングさせていただき、レイアウトにおとし込んでいきました。
オフィスのコンセプトは、「見せる・見られる スタイリッシュなオフィス」に決定。
コンセプトの中でも、以下の3つのポイントをしっかりオフィスの中で見せられるようにというご要望を頂きました。
- ペーパーレス
- 統一感のある什器
- イキイキと働く社員の姿

目的は、働いている人が自分たちのオフィスで働いていることを誰かに自慢できるくらいの誇りをもってもらうため。その情熱がモチベーションの向上や、採用や人材定着などといった好循環につながると考えのもと、レイアウト設計をおこないます。
■1F エントランス・ミーティングルーム

働く社員の皆さまはもちろんのこと、訪問されたお客様が一番最初にご覧になる1F。
ミーティングルームは
Cassina ixc.(カッシーナ・イクスシー)の
MEMBRANE(メンブレン)。上品なアイボリーカラーなツイード調の張地にトープのフレーム。

マテーレさんのコーポレートカラーでもある、赤と青のドアとパーテーションが目を引くお部屋は、12人掛けのプレゼンルーム。

テーブルが、
Cassina ixc.(カッシーナ・イクスシー)の
AIR FRAME(エアフレーム)。
David Chipperfield(デイビッド・チッパーフィールド)がデザインした、強度と軽さを兼ね備えたアルミハニカムパネルを採用したテーブル。薄いアルミパネルと薄い木天板を合わせた、エッジが効いたシャープでモダンなフォルムが特徴です。木目調のルーバーや箔の壁紙といった要素が、窓から垣間見える庭の風景も相まって、静かな和の空間を演出します。
また、和の空間とテーブルに合わせて、チェアには
オカムラの
Contessa Seconda(コンテッサ セコンダ)をセレクトしました。座り心地の快適さはもちろんのこと、日本のオフィスチェアでは世界市場へ向けてシェアが大きい製品でもあります。海外のお客様が訪問される機会があることから、国際的にも親和性の高いチェアを選びました。
中庭にもアウトドア家具を納入させていただきました。
■2F 執務室
「自由にかっこよく働く」を体現する2F執務室は、フリーアドレス制を採用し、テーブルの高低差とフォルムの違いでリズムのある、スタイリッシュな印象に。

入ってすぐに目に飛び込むのは、ブーメランのような三又に分かれたダイナミックなテーブル。こちらは
Vitra(ヴィトラ)の
MedaMorph(メダモルフ)。
Alberto Meda(アルベルト・メダ)がデザインしたこちらのテーブルは、天板のサイズと形状が豊富。今回はこちらのブーメラン型のメダモルフに加え、角の丸い長方形のテーブルも効果的に配置しました。

このブーメラン型テーブルの横には、高さ違いのテーブルをT字型に配置し、自由度の高い働き方ができるようになっています。フリーアドレス席のため、他拠点で働く社員さまが来社した際にも、ご利用いただけます。

そして、執務室の奥に進むと、こちらも高低差のあるテーブルを配置。

加えて、さらに奥には集中ブースを2席完備。こちらは、
オカムラの
Muffle +(マッフルプラス)という吸音パネルが採用されたブース。周囲の視線や音を遮ることで、作業に集中できます。

執務室とガラスパーテーションで仕切られているお部屋が社長室。ガラスパーテーションのおかげで隔たりを感じさせず、常に繋がっており、「
見せる」オフィスというのも納得です。
また、社長室と執務室はどちらもダークブラウンを基調としており、カラースキームを合わせることで部屋と部屋の繋がりがよりシームレスに感じられます。

2Fの廊下には、
オカムラの
TELECUBE(テレキューブ)を2台配置しました。最大2名掛けで調色・調光可。少人数のリモート会議などには非常に重宝します。

廊下を挟むと、もうひとつの執務室。長いテーブルが2台並び、奥には可動式の大型モニターがあることで、ミーティングもはかどりそう。その空間にいる全員が和気あいあいと働かれていて、皆さんの笑顔がとても印象的でした。
■ 3F 執務室
2Fとはまた異なり、「集中と交流」に重きを置いたのが3Fの執務室。

中央をベンチソファで仕切り、奥がそれぞれの部署の固定席となっており、手前が来客時の応対も可能なミーティングスペース。目的に合わせて空間を分け、メリハリがありながらも、集中と交流を使い分けられる執務室です。こちらの執務室も社員さま同士がコミュニケーションを取りながら仕事をされているのが印象的でした。
■屋上
屋上に上がると、Cassina ixc.〈カッシーナ・イクスシー〉とarflex〈アルフレックス〉の家具を組み合わせた贅沢な空間。当初は、まてーれ 金沢ひがし茶屋街様に納入させていただいた家具で、今回の本社リニューアルを機にお引越し。(※写真は一部、まてーれ 金沢ひがし茶屋街様に設置していた当時の写真です。)

ソファは
CECCOTTI COLLEZIONE(チェコッティ・コレツィオーニ)より、
ICO SOFA(イコ ソファ)。
直線ではなく、緩やかな曲線を描いた有機的なフォルム。イコ・パリージなど、イタリアのミッドセンチュリーモダンのイメージを現代的に解釈したデザインです。

ラウンジチェアは、
TANT-TANT(タンタン)。ダイニングチェアにも定評があるTANT-TANTは、日本人デザイナー 植木 莞爾氏のデザインです。1960年代のミラノをイメージしてデザインされ、空間を遮らない優しい雰囲気が特徴。

中央にはガラス天板のセンターテーブルとサイドテーブルのコンビネーションの
LAGO(ラーゴ)。「LAGO」はイタリア語で「湖」を指します。ガラス天板が穏やかな湖の湖面を想起させます。
そして、その隣には
arflex〈アルフレックス〉の
PI(ピーアイ)。鮮やかなブルーでベルベットのような気品のある張地を採用しました。こちらはスツールタイプとテーブルタイプの2種類の展開があり、今回はテーブルタイプを選択。座面部分のフラットに仕上げることで、センターテーブルとしてお使いいただけます。
テラスに出ると、2015年に隈研吾氏が設計した、マテーレさんの炭素繊維を用いて耐震補強したユニークな建物「fa-bo(以下、ファーボ)」全体と緑化されたルーフトップを一望できます。

ファーボは、マテーレさんの歴史や最先端の技術を体感することができる見学・体験施設。ワークショップなども開催されているようですので、ご興味のある方は是非足を運んでみてくださいね。
〈担当より〉
この度は、本社リニューアルを担当させていただき、誠にありがとうございました。
新しい働き方に挑戦する小松マテーレさんのサポートができたことを、心より嬉しく思います。
どのフロアを見ても、働く社員の皆さまの笑顔が印象的でした。
これからも何卒よろしくお願いいたします。(担当:横山)
石川のみならず、グローバルに活躍される小松マテーレ様。
見せることを意識したオフィスにしたいというご要望は各フロアともに伺っており、その上で2Fと3Fでは見せたいものが違うのではないか、という解釈からヒアリングとご提案を重ねて参りました。
世界へ向けて発信していく、その推進力を示す先進的なオフィス作りに携わらせていただけたこと、大変嬉しく思います。
小松マテーレ様の益々のご発展をお祈り申し上げます。またお力になれることが御座いましたら、お気軽にご相談いただけますと幸いです。(担当:岩田)